「腕時計」としてApple Watchが欲しいという人におすすめ!
購入してから開封・使用まで、筆者の体験をもとにレビューします。
- 改良されてより大きくなったディスプレイ
- 電源の効率化により常時表示でも秒針が表示可能
- 廉価版(SE)との価格差が機能差の割に大きい
- 文字盤ガラスの材質が廉価版(SE)と同じもので傷つきやすい
- バッテリーは「必ず」1日1回の充電が必要
2024年9月10日、Appleが毎年恒例の発表会で発表したのは、iPhoneシリーズ、AirPodsシリーズ、そしてApple Watchシリーズです。以前からApple Watch SE(第1世代)を使っている私は、新しく発表されたApple Watch Series 10を購入することに決めました。
「Apple Watch Series 10」について
Apple Watch Series 10の詳しい仕様表
Apple Watch Series 10 (Apple) | |
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チップ | S10 SiP(64ビットデュアルコアプロセッサ搭載) 4コアNeural Engine 容量64GB |
筐体 | ・アルミニウムケース(3色) → 画面はIon-Xガラス ・チタニウムケース(3色) → 画面はサファイアクリスタル |
ディスプレイ | ・全モデル共通 LTPO3常時表示Retinaディスプレイ 広視野角OLED エッジからエッジまで広がるディスプレイ 輝度 1~2,000ニト 326ppi ・42mm モデル 374×446px(表示領域:989㎟) ・46mm モデル 416x496px(表示領域:1,220㎟) |
電源とバッテリー | 通常使用時:最大18時間 低電力モード使用時:最大36時間 約30分で最大80%の高速充電 → 15分間の充電で最大8時間の通常使用 → 8分間の充電で最大8時間の睡眠記録 |
寸法 / 重量 | ・42mm モデル 【サイズ】 42mm×36mm×9.7mm 【重量】 アルミニウムGPS:30g アルミニウムGPS&Cellular:29.3g チタニウム:34.4g ・46mm モデル 【サイズ】 46mm×39mm×9.7mm 【重量】 アルミニウムGPS:36.4g アルミニウムGPS&Cellular:35.3g チタニウム:41.7g |
耐久性 | 耐水性能:50m相当(泳げるレベル) 防塵性能:IP6X等級(粉塵も内部に入らない程度) |
価格 | 2024/09/16現在 ・アルミニウムケース: ¥59,800〜 ・チタニウムケース: ¥109,800〜 |
Apple Watch Series 10は先日発表されたばかりの最新モデルです。Apple Watchのグレード的には、SEとUltraの中間にあるモデルとなります。
SEと比べると、バッテリー持続時間は同じですが、常時表示に対応していたり、より多くのセンサーを搭載して健康関連のデータを収集してくれるモデルです。Series 10は46mmモデルではUltraよりも大きな画面を搭載するなど、これまでのモデルより画面が大きくなりました。
Series 10の42mmモデルは、私が元々使っていたSE 40mmモデル比で26%表示領域が拡大。SEの44mmモデルよりも大きなディスプレイを搭載しています。
さらにさらに、Apple Watchから直接音声を流せるようになったり、ディスプレイで使われている技術のアップデートによって常時表示した時の画面更新頻度が毎秒1回に変更。これにより秒針も常に表示されるようになります。また、斜めから見た時もより画面が見やすくなるなど、細かいところがブラッシュアップされているモデルであると言えるでしょう。
「Series 10」を選んだ理由
筐体サイズはほぼそのまま、より大きな画面
私の手首を測ってみると、だいたい15cmちょっと。この手首の太さでも大きい方のモデルは使えないことは無いです。ただ、見た目のスマートさ的な面でも、本体の傷つきにくさでも、私くらいの腕の太さなら小さい方のモデル(40mm, 41mm, 42mm)の方が適していると思います。
ただ、本体が小さいということは必然的に画面が小さいということでもあります。時間を見るだけなら問題ないのですが、ちょっとアプリを操作したいと思った時にはもう少し大きなディスプレイが欲しいと思う場面が多々ありました。
私が購入したSeries 10の42mmモデルは、今使っているSEの40mmモデルより縦横2mmずつ大きくなっています。この程度であれば見た目やぶつけやすさは変わらないと思いますし、それでいてSEの44mmモデルより表示領域が広くなるなんて最高です。
Series 9よりベゼルが太くなったのは残念。
それでもSEよりは細いけどね。
常時表示ディスプレイは「腕時計」に必須
少し前に比べて外にいる時間も長くなり、Apple Watchを見て時間を確認するという場面が増えました。例えば電車の中でなかなか自由に腕を動かせない状況で時計を見たかったり、人前で話していてさりげなく時間を確認したい場面が出てきたのです。
Apple Watch SEだとディスプレイは基本消灯しています。電車の中であまり自由に腕を動かせないとうまく画面が点灯しないこともありますし、人目につかないようにさりげなく時計を見ようとしてもうまくいかないということがありました。
さらに、私が普段生活している北海道はご存知の通り冬が長く、当然外出時は着込みます。常時画面が表示されていればちょっとダウンジャケットの袖をめくるだけで時間が確認できますが、常時表示のないSEでは袖をめくり、一度画面をタップしてようやく時間がわかるという手間が生じます。
時間を確認する場面って結構多いから日々の生活の中でどんどんほんの少しの手間を感じるタイミングが増えていったんだよね。時間を確認したいだけなのに。
通知を受け取りたい、もしくは支払いに使いたいという理由でApple Watchを「ガジェット」として購入する方はSEでも良いのかもしれませんが、やはり「腕時計」として使うためには常時表示は欠かせないと感じました。
Apple Watch Series 10ではディスプレイに使われている技術が新しくなり、常時表示の状態でも「秒」まで確認できるようになりました。秒針がない方が好ましいとされる場面もあるにはありますが、日常的に使うならあった方が便利です。
より多くの健康に関する情報を得られる
健康機能 | Apple Watch SE 第2世代 | Apple Watch Series 10 |
---|---|---|
心拍数 | ||
呼吸数 | ||
睡眠時間 | ||
睡眠時無呼吸の通知 | ||
手首の皮膚温 | ||
体の中の酸素レベル | ||
心電図 |
Apple Watchの魅力の一つは、日々自分の健康に関するデータを集めて体の不調に気づきやすい環境を作れることだと思います。Apple Watch SEでも必要最低限は使えるようになっているのですが、Series 10の方がセンサーが多かったり新しい世代のものを使用しているなどで対応項目が増えています。
体の中の酸素レベルは新型コロナウイルス感染症などで自宅療養をするときに、自分の容態を確認するときに役立ちますね。
健康は大事。何かあったときに少しでも安心感を感じられるなら、多めにお金を払うことに抵抗はありません。
実物をSEと比べてみる
開封してまず感じたことは、小さい方のモデル(42mm)なのに大きい!ということでした。実際に腕につけてみると、やはり文字盤も大きくて見やすく、意外にも見た目のバランスはそこまで変わりませんでした。
ただ、なぜかはわかりませんが、SE第1世代の方がややディスプレイが明るく見えたり、手を下げた状態から画面を表示する時の反応が良かったりしました。明るさについては屋外に持っていけば最大輝度が高いSeries 10の方が明るく見えるはずです。
そしてすっかり忘れていたのですが、文字盤が大きいSeries 10ではメッセージなどの返信をSiriによる音声入力に加えてキーボードでの入力も可能です。音声入力の精度もそこそこ高いのですが、場所を選ばず即座に返信できるようになりました。
総評
大きな画面はやはりApple Watchのタッチ操作時には快適性を向上させてくれることを実感しました。筐体サイズがこれ以上大きくなると自分の腕には合わなくなってしまうので、今後も全体としてのサイズは据え置いたまま画面が大きくなって欲しいと思います。
セットアップで画面に表示が出た瞬間から、表示領域の広さは一目瞭然でした。
一方、画面の常時表示はもちろん嬉しいのですが、秒針の表示は今回のwatchOS 11で追加された2種類の文字盤のみとなっていて、これまでの文字盤やコンプリケーションがアップデートで対応してくれることが期待されます。
あとはやはりバッテリー持ちでしょうか。高速充電が強化されたためお風呂のタイミングや朝の準備の間だけ充電しておけば基本的にバッテリーが切れることはないでしょうが、せめて丸一日充電なしで生活できると嬉しいですね。この辺りについてはきっと来年以降のアップデートで少しずつ改善されていくのでしょう。
やっぱり一番嬉しかったのは画面が大きくなったことかなぁ。
しばらく使ったらまた長期使用レビューを書こうと思います。